ライバルの条件



ライバル――とあいつを呼んでしまっていいのかとても疑問だ。

ライバルというにはあまりにデカイ壁。……身長は、低いけど。
チームメイトとしてはものすごく頼もしい存在。西浦に――同じチームにあいつがいてよかったと思う。
敵だったら、どれだけ脅威になっただろう。
追いかけても絶対に追いつかなくて、オレはあいつが大嫌いになったに違いない。
でも、すぐそばにいるから。
有言実行のあいつのスタイルにいつも助けられるから。
だから。
憧れで目標で――なんて言うのは照れ臭いし悔しいから秘密だけど。
だけどそうやってオレらが思ってることすらあいつには関係ないことで。
そういうものをスコーンと突き抜けた別の次元にあいつはいる。
オレらの4番。田島悠一郎って男は。


いつかあいつがプロになって活躍する日が来たとして。
そのときオレが野球をやってるかわからないけど。
バッターボックスのあいつを指差しながら「オレはあいつと一緒に野球してたんだ」なんて、自慢げに言うようなダセェ大人にはなりたくない。
だからオレはオレの野球を。
あいつのようにはなれなくても、自分で後悔しない野球を。
それでこそオレはあいつのライバルだって――自己満足でも――思っていられるような気がするんだ。





















SSにもなってませんね。
梓の独白。
花井は田島のことを、ライバルで親友。
とか思ってるといいなあ。
もちろんそれ以上でもいい。むしろ好ましい。
思春期未満お断りなタジハナがいつか書きたいです。
う、うへっ…